日本では、毎年台風シーズンになると各地でさまざまな被害が発生します。
暴風や大雨による浸水、停電、そして忘れてはならないのが「断水」です。
普段は当たり前のように使っている水道も、台風の影響で突然使えなくなる可能性があり、飲み水や生活用水が確保できない事態に直面することも珍しくありません。
特に断水は、発生してからでは対応が遅れることも多く、事前の準備が何よりも重要です。
しかし、なぜ台風で水道が止まってしまうのか、断水したときにどのように対応すればよいのか、実際に経験したことがない方にとってはイメージしづらいかもしれません。
そこで今回は、台風で水道が止まる理由や、断水時に取るべき行動、事前に備えておきたい対策、さらには断水後に起こりやすい水道トラブルまでを詳しく解説します。
本記事のポイント
・台風で水道が止まる理由や断水時に取るべき行動がわかる
・事前に備えておきたい対策、さらには断水後に起こりやすい水道トラブルがわかる
台風が接近する前に正しい知識を身につけ、もしものときにも落ち着いて行動できるよう準備を整えておきましょう。
台風で水道が止まる理由とは？
台風によって水道が止まる主な理由には、さまざまな要素が関係しています。
最も多いのは「浄水場や給水施設への被害」です。
台風の大雨や洪水によって浄水場が浸水したり、施設内の電気系統がショートしたりすると、安全な水を供給できなくなるため、自治体は一時的に給水を停止する判断を下します。
また、施設そのものが物理的に破損することもあり、復旧には数日かかる場合もあります。
もう一つの理由は、「排水管や給水設備の破損」です。
強風や土砂災害によって地中の配管が破損したり、地盤沈下が起きたりすると、配水に支障をきたし断水につながります。
特に山間部や古いインフラが残る地域では、配管の耐久性が低下しているため、こうした被害が起きやすい傾向にあります。
さらに、停電によってポンプ施設が停止し、給水できなくなるケースもあります。
高層マンションなどでは、電動ポンプを使って水を上層階へ送る仕組みが採用されているため、停電すると水が出なくなるリスクが高まります。
このように、台風による断水は単一の原因ではなく、複合的なトラブルが重なって発生することが多いのです。
断水が発生した際の対処手順
次に、断水が発生した際の対処手順についてご紹介します。
断水が発生した際の対処手順
1, まずは断水情報を確認する
2, 必要な水を確保する
3, 節水を徹底する
4, 復旧後は水を徐々に使用する
①まずは断水情報を確認する
断水が発生したと感じたら、まずは自治体や水道局の公式サイト、または防災情報アプリなどを使って、断水の有無とその原因、復旧の見込みを確認しましょう。
地域一帯の計画的な断水なのか、局所的なトラブルなのかによって、対応方法が異なるためです。
インターネットが使えない場合は、ラジオや役所の窓口に問い合わせる手段も確保しておくと安心です。
②必要な水を確保する
断水が発生した場合、まず優先すべきは飲み水と最低限の生活用水の確保です。
ペットボトルの飲料水を備蓄していない場合は、断水前に水道水をバケツや浴槽に貯めておくと役立ちます。
ただし、飲用に使用する場合は清潔な容器を使用し、なるべく早めに使い切るよう心がけましょう。
トイレの排水や簡単な洗い物には、別に確保した生活用水を利用します。
③節水を徹底する
断水中は限られた水を大切に使わなければなりません。
歯磨きや手洗いをウェットティッシュで代用したり、食器を洗う回数を減らしたりして、できるだけ節水に努めましょう。
また、飲料水と生活用水をきちんと区別し、用途に応じて使い分けることも大切です。
無駄に水を使うと、復旧までに水が足りなくなるリスクが高まります。
④復旧後は水を徐々に使用する
断水が解消された後、すぐに大量の水を使うのは避けたほうが良いでしょう。
配管内に空気や異物が混入している可能性があるため、最初は少しずつ水を流し、にごり水や異臭がないかを確認します。
特に飲料や料理に使う水は、完全に透明で清潔な状態であることを確認してから使用するようにしましょう。
台風で水道が止まる前にやっておきたい断水対策
次に、台風で水道が止まる前にやっておきたい断水対策についてご紹介します。
台風で水道が止まる前にやっておきたい断水対策
1, 飲料水と生活用水を事前に確保する
2, 浴槽に水をためる
3, 防災グッズを見直す
①飲料水と生活用水を事前に確保する
台風が接近しているときは、断水に備えて早めに飲料水と生活用水を確保しておくことが大切です。
飲料用にはペットボトルの水を最低でも3日分、一人あたり3リットル×3日分程度を目安に備蓄しましょう。
生活用水は、浴槽に水を張っておく、バケツやポリタンクに水を溜めておくなどして確保しておくと安心です。
特にトイレの排水や簡単な手洗いに使える水は、復旧までの間に必要不可欠になります。
台風が直撃する直前では水の買い占めが起こる可能性もあるため、天気予報を見て早めに準備することが重要です。
②浴槽に水をためる
断水に備える際、非常に有効な方法が浴槽に水を張っておくことです。
浴槽に貯めた水は、トイレを流すための水や簡単な清掃用の水として使うことができます。
飲料用には適しませんが、生活用水としての役割は非常に大きく、特に断水が長引いた場合にはライフラインを支える大きな助けになります。
浴槽にためた水は、異物が混入しないようふたをしておき、必要に応じてバケツで汲み取って使用できるようにしておきましょう。
③防災グッズを見直す
断水に限らず、台風による災害リスクに備えるためには、防災グッズの見直しも欠かせません。
携帯用浄水器、保存食、懐中電灯、ラジオ、ウェットティッシュなど、非常時に役立つアイテムをチェックし、不足しているものを早めに補充しておきましょう。
また、マンションやアパートの場合は、非常用トイレや給水バッグも用意しておくと安心です。
水道が復旧するまで数日かかる場合もあるため、水だけでなく総合的な防災対策を講じておくことが台風シーズンを乗り切るカギとなります。
断水後に起きやすい水道トラブル
最後に、断水後に起きやすい水道トラブルについてご紹介します。
断水後に起きやすい水道トラブル
1, 赤水の発生
2, 蛇口や配管の水漏れ
3, エア噛み（水道管内の空気混入）
①赤水の発生
断水後によく発生するのが「赤水」です。
赤水とは、配管内にたまったサビや不純物が水に混じり、赤く濁った水が出てくる現象を指します。
長時間配管内に水が滞留していたことや、断水によって配管内の圧力バランスが崩れたことが原因です。
最初のうちは赤水が出る場合があるため、復旧後はしばらく水を流し続けて、透明な水になるまで待つことが推奨されています。
赤水をそのまま飲用に使うのは避け、必ずきれいな水になったことを確認してから使用するようにしましょう。
②蛇口や配管の水漏れ
断水中や復旧直後には、水道管や蛇口周りで水漏れが発生するリスクもあります。
断水によって配管内の圧力が変化すると、古いパッキンや劣化した配管部分が耐えきれず、ひび割れや破損が起こることがあるためです。
特に築年数が経過している住宅では注意が必要です。
復旧後に蛇口からポタポタと水漏れしていたり、壁や床に水たまりができていたりする場合は、早急に水道業者に点検を依頼することをおすすめします。
③エア噛み（水道管内の空気混入）
断水復旧直後には、水道管内に空気が入り込んでしまい、水道を開くと「ゴボゴボ」という音がしたり、水が飛び跳ねるように出たりする現象が発生することがあります。
これを「エア噛み」と呼びます。
通常は時間が経てば自然に解消されますが、いつまでも異常な音や飛び跳ねが続く場合は、空気抜きの作業が必要になることもあります。
無理に使い続けると水道設備に負担をかけるため、気になる場合は専門業者に相談しましょう。
水まわりのトラブルは宮崎水道サービスへ
今回は「台風 断水対策」というテーマで、台風によって水道が止まる理由から、断水時の対処手順、事前に備えるべき対策、そして断水後に起こりやすい水道トラブルまで幅広く解説しました。
普段は当たり前のように使っている水も、いざ使えなくなると生活への影響は非常に大きなものになります。
台風が接近する前に飲料水や生活用水を確保しておくこと、防災グッズを見直しておくことはもちろん、断水時には節水を徹底し、復旧後も慎重に水を使い始めることが大切です。
また、断水後には赤水や水漏れ、エア噛みといったトラブルが起こる可能性があるため、異常に気づいたら早めに対応することが重要です。
日頃から台風への備えを意識しておくことで、非常時にも落ち着いて対応でき、家族や自分自身の生活を守ることができます。
この記事を参考に、ぜひ今のうちからしっかりと断水対策を進めておきましょう。
